[2000.10.11]
  チップに乗ってどこまでも


 ▼調査レポート:チップ業界は2002年まで力強い成長(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2000/Item/001010-6.html


 すべてのものがワイヤードにコネクトしている世界。IPに乗った僕の言葉が,すべてのものに伝わる。僕のサインを書き始めるのも,シャッターをきるのも,君の涙をぬぐうのも。

 調査会社のデータクエスト社が発表予定のレポートによると,チップ業界は2002年まで成長が持続するとしている。特に,携帯電話,デジタルカメラ,MP3プレーヤー用のフラッシュメモリの市場が広がる。

 PC自体の販売の伸び悩みで,アップル社はじめ各社の株価などが影響を受けている(過去記事)。チップメーカーの代表たるインテル社も失墜。だがインテルの場合は全体的な動きというよりは,インテル自体が抱えている問題のほうが大きい。インテルは同社の顔として活躍してきたアルバート・ユウGMの更迭が噂されている。ペンティアム4も十分な満足感を与えられず(過去記事),ティムナチップセットの計画破棄(CNET Japanの記事)など,いいところがまったくない。AMD社の堅調さと,クルーソーを突きつけるトランスメタ社との間で,もがき苦しんでいる。

 確かにPCの伸び悩みでチップメーカーは一番のお得意を失っているが,時代は代わりをいくつも用意している。記事にある携帯電話はその最たるものだし,セットトップボックスなどインターネットデバイスは,とどまらない。腕時計にだって,ボールペンにだって,使い捨てカメラにだって,ハンカチーフにだって,チップは必要となる。そう,すべてがワイヤードと接する必要が出てくるその日がくる。そして人間の肉体にも,チップは内蔵されていく。世界は,チップで動く。チップを内蔵した気球が,空高く舞い上がる。どこよりもどこよりも高く,遠く,遠くまで。


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